宮城県石巻市・牡鹿半島の入り口に位置する蛤浜(はまぐりはま)は

東日本大震災の津波によって壊滅し、2世帯人口5人にまで減少しました。

 

代表の亀山は蛤浜で生まれ育ち、水産高校の教師をしながら

2012年に蛤浜再生プロジェクトを立ち上げます。

 

仲間もお金もノウハウもない中、

ビジョンを描いてできることから手探りで活動するうちに全国から賛同者が集まり、

2013年3月に、瓦礫の撤去からDIYで築100年の自宅を改装した

「はまぐり堂」をオープンしました。

 

はまぐり堂は、魚介やジビエなどの地元にある食材を活かしたメニューや

漁師の古民家をリノベーションした空間などが好評を博し、

一日100人、年間で約15,000人が訪れる人気店となりました。

 

その後、行政や協力してくださる企業、学生さんも増え、

マリンアクティビティやツリーハウスの建設、セレクトショップ·ギャラリーの運営、

自然学校など様々な活動を展開していきました。

 

しかしながら、小さな集落のためオーバーツーリズムとなり、

急激な変化によって地元にも迷惑がかかってしまったため

このタイミングが自分たちの方向性を考え直す機会となりました。

それからは、単に交流人口やなりわいを増やすだけでない

「地域にも喜ばれる仕組みづくり」を模索し続けています。

 

 

2014年には一般社団法人はまのねを設立。

地域の課題であるニホンジカによる獣害対策や荒れた山林の再生に取り組み、

地域に根ざした事業の立ち上げや担い手の育成をスタートしました。

代表の亀山自身も漁師となり、体験や学びを取り入れた

持続可能な漁業の仕組みづくりに取り組んでいます。

 

これまではまぐり堂·はまのねに関わったメンバーは

9名が飲食店やアクティビティ、ゲストハウス、

ものづくり、狩猟、林業などで独立・起業しています。

 

 

コロナ禍以降、震災時と同様に経済がストップしても

自助・共助の力で逞しく生きる地域の先輩たちに感銘を受け、

改めて地域に伝わる知恵や技術·文化に価値を見出し、記録·伝承する活動を始めました。

 

現在は体験・研修などを通して都市部の人たちにもその価値を伝え、

都市も地方もそれぞれができることで助け合う、

より良い豊かな未来づくりを目指しています。

亀山 貴一  kameyama takakazu

牡鹿半島・蛤浜出身。宮崎大学農学部卒。石巻専修大学修士課程修了。宮城県水産高等 学校の教員を務めていたが、3.11の震災を経て、壊滅した 蛤浜の再生のため「はまぐり 堂」を立ち上げる。幼い頃から漁師だった祖父のようになるのが夢で、現在はまのねを運営しながら小漁師をしている。

一般社団法人はまのね代表理事 / 蛤浜区長 / 小漁師 

著作 「豊かな浜の暮らしを未来へつなぐ-蛤浜再生プロジェクト」(東北復興文庫)

 

 

亀山 理子 kameyama riko

宮城県仙台市出身。
早稲田大 学教育学部学際コース、エコール辻東京 フランス・イタリア料理マスターカレッジ卒。郷土の食文化と暮らしの知恵に関心があり、農家さん・漁師さんなど食を支える人々の生き方から学ぶことを大切にしている。

はまぐり堂スタッフ(料理・パン・菓子・広報担当) / ネイティブ・ジャパニーズ探究家

菅原 尚子 sugawara shoko

石巻市河南町出身。

3人の子育てをしながら大学秘書勤務ののち、石巻へUターンしてはまぐり堂スタッフに。古道具やアンティーク品を生かした設えが得意。自ら採集した海や森の素材・牡鹿半島の鹿革を使った装身具やオブジェなどの作品を製作している。

はまぐり堂スタッフ(料理・コーヒー・インテリア担当)/ 自然採集作家 

作品販売:https://hamaguridou.shop/

 

 


【受賞歴】

 

 ·第8回いしのまき大賞

 ·第2回石巻創業ビジネスグランプリ最優秀賞

 ·第5回日本復興の光大賞特別賞

 ·文藝春秋SDGsエッセイ大賞 優秀賞(受賞エッセイ「未来の生き方は限界集落に聞け」)

 

 

【研修】

 

 ·地域おこし協力隊研修(石巻市、丸森町)

 ·ソーシャルアントレプレナー研修(仙台市)

 ·ビジネススクール(ハーバードビジネススクール·スワースモア大学·早稲田大学)

 ·企業研修

 (NHK新人研修、東急グループ幹部研修、日立システムズ地方創生部研修、米国務省研修)

 

 

【講演】

 

 ·リノベーションまちづくり(青森市、館山市、草加市、葛巻町、沼津市)

 ·創業·起業イベント(仙台市、石巻市、女川町、丸森町、多賀城市)

 ·ソーシャルイノベーション、復興関係、小中高の特別講演など 多数

 

 

【書籍】

 

 ·亀山貴一「豊かな浜の暮らしを未来へつなぐ」(東北復興文庫)

 ·山崎繭加 (著)・竹内弘高 (監修) 「ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか」(ダイヤモンド社)

 ·風見正三·佐々木秀之 (編) 「復興から学ぶ市民参加型のまちづくりⅢ」(創成社)

 

【ラジオ出演】

2024/1/20 配信「頭がととのうラジオ」 ナビゲーター・角田尭史(株式会社midnight sun代表)ゲスト出演:亀山理子